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育毛に関する論文が国際誌に掲載

インドマツリは薄毛の原因「5α還元酵素」を阻害し、毛乳頭細胞の増殖を促進する

横浜市立大学大学院 生命ナノシステム科学研究科 長寿科学研究室との共同研究により、アーユルヴェーダハーブであるインドマツリ根エキスがヒト毛乳頭細胞において、Ⅱ型5α還元酵素の発現を抑制し、細胞増殖を促進することを発見しました。また、その有効成分はプルンバギンであることも解明しました。本研究成果はJournal of Cosmetic Dermatology誌に現地時間2020年3月3日付でオンライン公開されました。

〇論文タイトル: Extract of Plumbago zeylanica enhances the growth of hair follicle dermal papilla cells with down‐regulation of 5α‐reductase type II
〇著者: Natsuki Yamada Msc, Kensuke Miki PhD, Yoko Yamaguchi Msc, Yuki Takauji PhD, Yoshimi Yamakami PhD, Mohammad Nazir Hossain PhD, Dai Ayusawa PhD, Michihiko Fujii PhD
〇論文掲載サイト: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.13355

〇研究成果のポイント
・ヒト毛乳頭細胞におけるⅡ型5α還元酵素の発現量は、細胞の老化とともに上昇する
・インドマツリ根エキスはヒト毛乳頭細胞において、Ⅱ型5α還元酵素の発現を抑制し、細胞増殖を促進する
・インドマツリ根エキスに含まれるプルンバギンが上記のような作用の有効成分の一つである

〇研究の解説
 ヒト毛乳頭細胞は、毛球の中央底部に位置する間葉系組織由来の細胞で、様々な増殖因子を産生します。産生した増殖因子は毛母細胞を刺激し、細胞分裂を促進させて毛母細胞が分裂し角化することで毛髪となります。また、毛髪組織を調節する毛周期を制御するため、毛乳頭細胞は毛髪の成長に非常に重要な役割を担っています。
 5α還元酵素は、男性ホルモンであるテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換します。DHTは、アンドロゲンレセプター(AR)に強力に結合し、毛母細胞の細胞増殖を抑制するIL-6や、毛母細胞をアポトーシス(細胞死)に導くTGF-βを誘導することで毛髪の伸長を阻害します。
 本研究では、男性型脱毛症(AGA)における毛乳頭細胞の細胞老化による影響を調べ、AGAの予防に有益な効果をもたらす化合物を検索しました。
 はじめに、分裂回数の少ない若い毛乳頭細胞と老化した毛乳頭細胞を比較すると、老化した毛乳頭細胞ではⅡ型5α還元酵素の発現量が上昇していることを発見しました。
 次に、アーユルヴェーダハーブの中から毛乳頭細胞の増殖を促進するハーブを探索すると、インドマツリ根エキスに毛乳頭細胞増殖促進作用があることを発見しました。また、インドマツリ根エキスはⅡ型5α還元酵素の発現量を抑制することも発見しました。
 最後に、インドマツリ根エキスに含まれる有名な成分プルンバギンを毛乳頭細胞に作用させると、同様な効果が見られたことから、プルンバギンが有効成分であることがわかりました。
 以上のことから、老化した毛乳頭細胞がAGAの原因となっている可能性が示唆され、インドマツリ根エキスおよびプルンバギンがAGAの改善に役立つかもしれないことがわかりました。